アヴァンティ 1月号

  アヴァンティ 1月号
アヴァンティ 2月号
アヴァンティ 3月号
アヴァンティ 4月号
アヴァンティ 5月号
アヴァンティ 6月号
アヴァンティ 7月号
アヴァンティ 8月号
アヴァンティ 9月号
アヴァンティ 10月号
アヴァンティ 11月号
アヴァンティ 12月号









 
アヴァンティ 2008年 12月号

■「あなたのお仕事は何ですか」

長い間、料理を教えるのが仕事だと思っていました。人一倍不器用な私は一日中台所にいて試作をし、研修会があれば全て参加し、その結果疲れ果てていつも不機嫌。レパートリーは沢山持っているけれどイライラしている料理研究家なんて嫌でしょ。ある時にハッと気づきました。料理研究家は健康で幸せそうでなければと。(美しくなければなんて書かないのが謙虚)。美味しくて経済的で料理嫌いな人でも作れる料理。美味しい料理を口にした人が笑顔になるのをみるとこちらもハッピーになります。
気づくのは遅かったけれど自分の仕事の意味を問い直してから、ビジネスとしてもうまく行くようになった気がします。

ちょっと昔に文化センターの様な組織でプログラム等をコーディネートしていたことがあります。そこには空間をプロデュースする人たちも雇われていました。花を飾ったり、小物を準備するのです。最初に顔を見せたリーダーらしき女性はいつの間にか来なくなって、スタッフでしょうか若い女性たちが作業をしていました。お洒落でいかにもスタイリストといった人たちですが花の生け方はバラバラ、色の取り合わせもめちゃくちゃなのです。それだけなら我慢もできますが、水がこぼれようが葉っぱが散らかろうがそのままです。「花に水を注す時には片手に布を持っていてね」と私にしては精一杯優しくお願いしました。(かえって怖いかも)「掃除までしろって言われていませんから。」が彼女の返事。「×△&#”!?*?××!!」文字ではとても書けません。

つまり私は激怒したのです。もちろん彼女は…ハイ泣きましたとも。その後ですか! 思い出すと腹が立つ! すぐに偉い人がニヤニヤしながら「若い子をあまりイジメんで下さいよ」と言ってきました。やはりの結果です。数カ月我慢しましたが「歯の腰痛がひどくて」みたいな無茶な理由をつけて辞めました。引き止められましたが、思いとどまったら女が廃る。それにしても痛い収入減でしたが…。彼女たちの勘違いは、花を生ける小物を探してくるのが仕事だと考えていたことです。「美をもちこむ」ことが役割だったのに。

花を置く棚のホコリを拭うのは花を飾るより大切ですっ!あなたのお仕事は公務員、OL、美容師、料理人、ブティック勤務…?そのお仕事の本質は何ですか。よく考えてみてくださいね。それにしてもあの時の女性たちは今どうしているかしら。えっ、結婚して幸せに暮らしているでしょうって。うーん世の中はそういうものかもしれませんね。


▲ Page Top