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2001年1月16日放送

■有難うの一言を!

去年の暮れに小さな洋服やさんで買い物をしていた時の事です。ちょうど若い女性が、直しを頼んでいた洋服を受け取りに来ていました。店員さんが、出来てますよと袋を手渡しながら「スカートの長さを切った部分でミニマフラーを作ってありますので良かったら使って下さい」と言いました。お客は小さな声で「すみません」とぼそぼそ。店員さんは「気に入らなくてもとっておいて下さい、洋服が傷んだ時に使えますから」

お客さんは黙って出て行きました。私は横で見ていて「せっかく親切にしてくれたのにもっと喜びなさいよ」と怒鳴ろうとも思いましたが、きっと表現が下手な子なんだと思って自分をなだめました。

そう言えば「ありがとう」とか「嬉しい」と言う表現が下手な人結構多いですよね。私の友人が知り合いが絵の個展の案内を貰ったので個展の時は場所を離れられないのでお昼が困るだろうとお鮨を差し入れにもって行ったら「お弁当持って来ているので持って帰って下さい」と言われたと憤慨していました。ある人はお見舞いに緑茶のティーバックが便利だからと差し上げたら、付き添っていた娘さんに「おいくらですか」と言われて落ち込んでしまったとか。

どちらも日本人独特の遠慮だと思うのですが、それにしても下手ですよね。私だったら「わー」とか「ギャー」とか大袈裟に喜ぶと思います。喜ぶ事が何よりお礼になると思いませんか。(実は先日ケーキを持って来てくれた友達に「私をブタにする気?でもせっかくだから食べてやるね」と言った事実もあります。)

最近私は結婚が決まった遠縁に当たる女性に台所用品をあれこれとと組み合わせてプレゼントしました。ラッピングも凝ったつもりだったのですが、さほど嬉しそうでもないので、現金にすればよかったかなーと思っていたら、お返しの品物がすぐに送られて来てなんだか悲しくなりました。お返しなんかよりにっこり笑って「ありがとう」の一言のほうがどんなに差し上げた方も嬉しいかしれません。

最近は「もう誰にもなんにもやらんぞ」という気持になっている山際です。
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