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アヴァンティ2003年11月

■ヒゲではない毛の話し
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「タオルで前を隠して下さい」

数カ月前ある温泉センターで見かけた張り紙。「何のことかいな」とちょっと気にはなったのだけどそのまま忘れておりました。ところが最近「この事か」とその張り紙の意図を理解する出来事に遭遇したのであります。仕事で数件のスポーツセンターを体験取材して一汗かいたあと後、シャワーを浴びたりお風呂に入っていた時の事。

「何っ!この大らかさ」無防備ってなものではありません。イブはエデンの園でリンゴを食べ恥かしさを知ったものとばかり思ってましたけど、違ったのです。タワシ屋さんの店先みたいにあっけらかーんと陳列されていたのです。(ここのところ意味が解らない人は深く追求しないで下さい)

「恥ずかしくないですか」「スタイルに自信があるのでしょうか」「女性だけだからですか」と率直に質問をなげかける勇気もなくおばさんはおずおずと目線を落して引き上げました。初めての修学旅行の旅館で水着でお風呂に入ったのを幼い羞恥心と理解したのは間違いだったのかしら。

タワシ達への直接インタビューが無理ならばあまり上品な事ではないけれどこちらで勝手な解釈をつけるしかないですね。

考えるに日本には公共の場とというものが存在しなくなったのかもしれません。マイホームから家の服装そのままでマイカーに乗りファミリーレストランへ、家にいる時と同じようにはしゃいでも誰からも叱られず家にいる時と全く同じ降るまいでOK。家にも気の張る来客は来ない。「今日は大切なお客様がいらっしゃるからお行儀良くしてね」等と言われる事もないから畏まったり緊張したりなんていうことが生活には存在しない。
子供達が本能のままに振舞うのを無邪気、明るい、元気と大人は目を細める。

「日本人に人前だかという意識が消失した」こういう結論はこじつけかしら。結局この文章は私の下品さをあぶり出しただけかも知れません。
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