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2004年アヴァンティ9月号

■どうぞ、感じよく

感じの悪い人の代表みたいな私が言うのもなんですが、なんだか最近「いけ好かない人間」が増えたような気がしませんか?バスや電車で座るなり、リクライニングシートをパタンと倒す人。後ろの席に座ろうとしている人がいようがいまいが、おかまいなし。人ごみでいきなり日傘を開く。「あぶないじゃあないのっ!」。こんな人に限ってたたんだら小脇にはさんで歩く。尖った傘の先が歩くたびに揺れて、小さな子供たちにとっては危険なことおびただしい。

車の付いたキャリーバックも恐ろしい。このゴロゴロバックには足先を2度もひかれて痛い思いをした私です。「痛い!」って言いましたが、相手は知らん顔してゴロゴロとバックを引きずって去って行きました。エスカレーターの上からキャリーバッグが私をめがけて転がり落ちてきたのも本当の話。「傷害未遂事件だ」と思ったけれど、気の弱い私は泣き寝入り。電車の中で自慢の長い髪の毛を大きくかき上げたお嬢さん、髪の毛の先がチビのおばさんの目にかすったのに気がつきましたか。涙目のおばさんが怒った顔をして後ろに立っていたでしょ。

「思い出すと怒りがこみ上げて血管が切れそう」なのでホッとした話もちょっと。少し肩が触れただけでも「失礼」と軽く頭を下げて通り過ぎる男性。人ごみの中で偶然に視線があっただけなのに、ほんの少し表情をやわらげてから視線を移す女性。乗り物の中で横の席に座るときに「ここ空いていますか」とか「こちら宜しいですか」と声をかけて、そっと腰を下す人。感じの良い人って常に他者の存在を意識しているのですね。人柄そのものが良い、人間として上等なのだと思います。

身内や利害関係のある人にはやたら愛想がよかったり、気を遣う人は度々目にします。行きがかっただけで見も知らない、おそらくもう二度と会うこともない相手に対して、礼儀正しく振る舞える人はこの時代稀だと思いませんか。だからこういう人に出会えば「すごい!」「えらい!」と感心、感動するのです。いつかは「感じよい人と言われるようになるぞ」心に誓う私なのでした。