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2004年アヴァンティ11月号

■したい放題、食べ放題

「お持ち帰りにならないように」「とった分は残さずお召し上がりください」。食べ放題の焼肉店の張り紙にはもう驚かない。上品だと思っていた知人がシャネルの口紅を光らせてこう言った「ブッフェスタイルのランチに行って一人分の支払いで二人いただこうとしたらお店の人に注意されたわ」。顔を赤くしているのは聞いている私の方、彼女は「パンが美味しかったから持ってきたわ」と屈託がない。

「注意!危険!」ブッフェスタイルつまり食べ放題のシステムのお店には魔物が棲んでいる。どんなにエレガントな人にも取り憑いて、破廉恥な人間に変えてしまう。あなたも心当たりがあるはず。耳元で悪魔がささやく「元を取りなさい!1890円分」。心が答える「そう原価が高そうなものから選ばなきゃ」「朝抜いて来たから量は大丈夫」。いつもの美意識はどこかに吹き飛んでいる。手にしたお皿には容量を遥かに超えたローストビーフ。何度も立つのは面倒だからついでにラタツウユもサラダもスパゲティもとってくる。テーブルの上はたちまち中華料理屋状態。サラダをとったときに煮込みハンバーグが目についたからついでに横に置く。皿の中のカオス、阿鼻叫喚。

ナイフとフォークでいただくものも面倒だからとフォークだけをつかう。夢中になってるので背中は前かがみ。書くだけでウンザリ。上品ぶる必要はないけれど、ちょっとくらいは気取ってほしい。あなたはこの青い星の女優、だれかがきっと見ているから。
ブッフェのマナーは決して難しくない。

「お腹がすいていれば沢山食べたってかまわない。ただし前菜からメインのものをいただいて最後にデザートとコーヒーで終わり。最初からケーキをいただくのは御法度,身体にも悪い。料理を並べてあるところに何度取りに行っても恥ずかしくないから、一度に沢山とらずに彩りを考えて美しく取り分けよう。とった分は死んでも残さないこと。お皿も何度取り替えてもいい。ホテルのブッフェなら、空いたお皿はすぐに片付けてくれる。コーヒーをいただくときにはテーブルの上はスッキリ。食事の間は背筋だけはピンとのばして。」

これだけが守れれば,白馬のお王子様が現れなくてもあなたは素敵なプリンセス。