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アヴァンティ 2007年 7月号

■「悪口は覚悟して」

少人数の女性だけの集まりがありました。個人のお宅で昼食をいただきながらとりとめも無いお喋りをする会と聞いたので、お誘いをいただいた時に滅多に無いチャンスと喜んで参加しました。
一人かなり遅れてこられた方がいらっしゃいました。和気あいあいと趣味の話などで盛り上がっていたのですが、その方は「忙しくって・・・」と長々とした言い訳で私達の会話を中断します。意地悪な私は彼女の首筋に短い髪の毛が張り付いているのを見逃しません。
「ごめん!美容院が長引いて」と言えば話は簡単なのに。こういうタイプはたいてい原稿のネタになりそうなストーリーを提供してくれるので、期待してそっと観察していました。やはり、彼女は人の悪口を延々と喋り始めました。本音を言えば悪口は嫌いではありません。もちろん自分が言われるのは嫌ですが人の悪口は結構面白いものです。

ところがなぜか彼女の話はちょっと気になります。「これは悪口ではないのだけど」「人が言っていたのだけれど」「ここだけの話にしてね」「本当はいい人なんだけど」「ごめんなさい不愉快な話の内容で・・」と、とにかく話の内容の半分以上が自己弁護なのです。言いたい事を言いながら「良い人と思わせていたい」とは虫が良すぎる。黙っておれない性格の私はついに口を開きました。
「あなた、覚悟して話されたら」
「エッ?」
彼女は私が何を言いたいのか理解できないらしく急に不機嫌な顔付きになりました。人が集まれば多少のうわさ話や悪口はつきもの。たとえ悪口でなく普通の会話でも言葉を発する限りリスクはつきものです。何気ない言葉やうっかりとした発言が人をカチンとさせるなんてままあることですから。

大人の女性なら「自分が発した言葉の責任はちゃんと取る」くらいの心構えが必要だと思いませんか。話はきっと誰かに伝わります。言葉は伝達するものですから。「黙っていてね」と言われればなおさら人に喋りたくなります。自分の発言が元でもしトラブルが起きたとしても「どんと来い」と思うくらいの度胸が無ければ人の悪口はほどほどになさいませ。


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