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アヴァンティ 2007年 12月号

■「幸せを逃がさないで」

一人の女性が立ち去った後、誰かがぽつりと言いました。
「薄幸そうな人ね」大丈夫。あなたのことではありません。もちろん私のことでもありません。丸ぽっちゃりして喜劇的な人や、骨太色黒で頑丈そうな人は大丈夫。「ガハハ」と大口開けて笑い、おまけに大食いなのだから。不幸も怖がって寄り付きませんよ。(男も近寄らないけど)。安心してください。

幸せの影が薄そうな人って、まず細くなければいけません。美味しそうに食べたりはしないのですから肥らないのです。化粧は全くしないか反対に超厚化粧。極端なのです。手入れもせず化粧も嫌うタイプは唇に色がないからいつも疲れて見えます。肌にも気を配らないから夕方には脂が浮いてなんだか具合が悪そう。厚化粧タイプは何を隠したいのか化粧で塗り固めて表情がはっきりしません。巫女さんのよう。

眉の書き方にも共通点が有ります。けっしてなだらかに丸みをもった形には描きません。真っすぐに引くか、人が描く反対の方向にカーブをつけたりもします。逆眉と言うのでしょうか。だからいつも困ったような顔をしています。着ているものにも色がなくセンスは悪くないのにいつも法事の帰りのような装いです。たいていは首周りが寂しげで寒そうです。

優等生タイプが多いから、仕事もぼちぼち真面目にこなし、人に叱られるチャンスもないのです。叱ったり叱られたりは、濃い人間関係の一つですが、彼女は密度の高い人間関係は求めません。出過ぎた行動もせず、常識的なのではめを外すことだってないのです。しかし一番の問題は気弱そうに見えながら、決して人のアドバイスを受け付けず「何も言わせないわ」とスキを作らぬよう無理をしてがんばるのです。一言で言えば「意固地」。彼女は人から大して嫌われもしない代わりに「大好き」とも言われないのです。映画や演劇、読書などで情報を得ることにも興味が薄いので「チケットがあるから」と誘っても乗ってきません。どうです、安心したでしょ。あなたのことではなかったから。白状するとこれはわたしの想像する「薄幸タイプの女性」。現実にはこういう女性は存在しませんよね。きっと。