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アヴァンティ 2005年 4月号
■侮るな家事
卵が上手く割れない。器の端っこでコツコツたたいたら、そのまま割れてしまい卵は無惨な姿でテーブルの上。ひびを入れるつもりが力を入れすぎて握りつぶしてしまった人。高校を卒業して数年経った頃、仲良しだけで集まった「すき焼屋」での出来事。まだ箸がころがっても可笑しかった年頃だったから大笑いして別れたけれど、今、思い出すとちょっと顔が赤らむ。あの時は誰一人、生卵を割れないのが恥ずかしいなんて思ってもいなかった。
今の若い人だって、料理や掃除洗濯等の家事全般が全く出来なくても恥じている様子はない。家事が出来ないのを自慢げに話す子だっているくらいだ。執事とメイドがいるようなお屋敷育ちでもないと思うけれど・・・・
そういう私も恥ずかしながら結婚して始めて自分の家事能力のなさに気づいて愕然としたのだった。夕食の準備に2時間以上もかかる。帰りの遅い夫を待ちわびて一緒に食事したらもう茶碗洗いの気力さえ残っていない。片付ける、はしから散らかり、洗濯しても洗濯しても汚れ物がたまる。子供が産まれたらもっと大変。子育ての半分は家事なのだ。ミルクを飲ませ離乳食を作りおむつを洗う。歩き始めたらおもちゃは散らかし放題。もちろん夫も家事は苦手で協力なんて全くしない。あの頃の私は家事に追われて、肌も髪もぱさぱさ、おまけに心もカサカサで意味なくイライラしていた。とにかく家事に慣れて時間に余裕ができたのは結婚してかなり経ってからのこと。
家事を躾ておいてくれたらと親を恨むのは筋違いなのかもしれないが・・・しかし大変だった。お腹がすけば簡単な食事の支度ぐらいは出来、小さっぱりといつも片付いていて清潔な身なりをしている。こんな当たり前のことが世界一出来ないのが日本人だと言われたことが有る。反省!
しかし自分のことを棚に上げて今回も言うぞ!ブランドで身を飾っているのに貧乏臭く見えるあなたは、とり散らかった部屋でインスタントばかり食べてるからかもしれないよ!
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