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アヴァンティ 2005年 6月号
■勇気
小太りでいつもテンションの高い私が笑いを取るのは簡単。「身体が弱いの」「気が弱いの」と口にするだけで「まさかー」と皆笑い転げる。「本当なんだから」と強調すればする程大笑いされる。日頃の態度が態度だから自業自得なんだけどちょっと悔しい。
身体が弱いというのはすこし誇張があるけれど、気が弱いのは本当だ。今はニコニコと作り笑顔で出ているテレビも実は慣れるのに8年かかった。
出始めの頃、前日は一睡もできずウトウトしても恐い夢を見る。どんなに急いで走ってもテレビ局に到着しないとか...本当にドキドキして飛び起きた。すぐ噛みつくので「小倉のマングース」と呼ばれているラジオだってカチカチ緊張していた。今でもメモや資料は準備して行かないとマイクの前には座れない。講演会も恥ずかしながら頭の中が真っ白になり、立ち往生して壇上で泣いてしまった事だってある。
しつこくいわせてもらうと、この文章を書いているのも全く平気と言うわけではないのだ。これくらいの文章力で良いのだろうか。内容が無いよーと、駄じゃれてしまうくらい緊張している。どの仕事も今回で辞めさせてもらおうと思いつつ、小さい勇気を振り絞ってなんとかやってきた。余裕ができて楽しいと思えるのはどの仕事もずいぶん経ってからだ。
新入生の皆さん、新しい教室に一歩入るだけでも勇気がいるでしょう。
OLさんは電話に出るだけでもドキドキしてるでしょ。でも恐い事を一つひとつクリアーして自分のポジションを作って下さいね。今日のあなたの小さな勇気があなたの明日を作るのですから。ほんの少しの勇気がないばかりにチャンスを逃すことのないようにしてほしいと心の底から祈ります。
ある有名女優のディナーショーで最後に彼女は言いました。
「女優って仕事はとにかく勇気がいるの。いろんな役柄に挑戦し、ていつも人に見られて試されて、でも勇気をだして頑張りますから皆さん応援して下さいね。」
美しく才能に溢れている人でもそうなんだと、私はちょっと彼女を身近に感じました。
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