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アヴァンティ 2005年 5月号

■だらしないぞ口元

どうしてこんなに口元に締まりのない若い人が多いのだろう。雑誌のグラビアをみてもほとんどのタレントが薄ぼんやりと口を半開きにしている。流行なのかな。

一番違和感があったのは大学の卒業式の日に街で出会った袴姿の女性。
「凛々しいな」と感心しながら顔はと見ると、口はやっぱり半開き。袴はきりりとした面構えとキビキビとした所作にこそ似合うもの。おまけに横にいた母親らしき人も「ポカン顔」。ついインタビューしたくなりました
「口にハエが飛び込んだりはしないのですか?」

どうして口をきっちり閉じられないのか。果たしてそれで良いのか。ずーっと疑問に思っていました。

あった!ありましたよ。
三笠書房 西成克成著 『眠りながら「奇麗」になる本』

ノリの軽いタイトルに反して内容は濃い。それもそのはず東京大学大学院博士課程修了。人工骨髄では世界的に名前が知られている先生の著書だったのです。

本によると、口をぽかんと開けているのは、鼻ではなく口で呼吸しているからなのだそうだ。恐ろしい事に、その結果健康ばかりか美しさをどんどん失っているという。鼻で呼吸をしないと頬から上の表情筋が動かないので、目元がたるみ小じわが増えて表情の緩んだ「ポカン顔」になる。口を閉じないと下唇は緊張するチャンスがないので締まりのない唇になる。口呼吸だけを続けていると酸素不足に陥りやすく皮膚が黒ずんでシミが出来やすい。その他口臭がひどくなる。口は鼻のように空気清浄装置がついていないので細菌などの進入を防げずに抵抗力が無くなる。さらには口呼吸では気道が狭くなっていびきや無呼吸を起こす危険性もある等々怖い話しはもっともっと続きます。

口呼吸はまさにブスになるための呼吸法。
なぜ日本人は口で呼吸する人が多いのか。赤ちゃんがお乳を飲んでいる間は鼻呼吸をしていても言葉を話すようになると口で呼吸する方法を覚えてしまう。欧米では4歳くらいまでおしゃぶりをくわえさせて、トレーニングをするのだとか。日本人は鼻が低い上に口呼吸が悪いなんて思ってもみなかったようだ。

今からでも遅くない、練習しょうよ。口をきちんと閉じることは健康で美しい女性になるための第一歩なのだから。