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アヴァンティ 2006年 3月号

■「会釈」

美人だとか可愛いと言われるのはあきらめているけれど、「感じがいい人」って言われたいと思う。しかしこれがなかなか難しい。意識しているときには「いい感じ」に振る舞えるのに無意識のときに本性が出てしまうのよね。意外なところでその人の本質を見てしまい「えっ」って感じたことない?

最近、会社の玄関に警備の方が立っているところが多くなった。出勤してくる人全員に「おはようございます」と挨拶をくれる。当然挨拶された方も挨拶を返す、と思っていた。残念ながら全く知らん顔して通り過ぎる人が意外に多いのだ。それも、悲しいかな若い女性に多いらしい。

丁寧に頭を下げなくても、会釈や目礼で気持を伝えなければならない場面は沢山ある。すれ違いざまに道を譲ってもらった。人が見ているテレビの前をどうしても横切らねばならない時。エレベーターに乗ろうとして場所を空けてもらった。店員さんから買った品物を手渡される場合も「どーも」って感じで少し頭を下げると感じがいい。
もっと言わせてもらえばブティックに入るときだって、言葉で「見せていただいても良いですか」という代わりにちょっと目で挨拶くらいはしたい。お店と言えども人の陣地、「失礼します」って気持ちは大切だと思う。帰り際も同様である。

先日講演先で、話が終わる20分ほど前に一人のご夫人が席を立たれた。どんなに参加者が多くても壇上からは客席の行動はよく見えるもの。その方は出口の扉の前まで行くと、くるりと舞台の方に振り向かれ軽く頭を下げて出て行かれたのだ。その一瞬の所作のなかに「ここまでしか時間がなくて失礼します」とのメッセージがこちらに伝わってきて気持ちが良かった。講演の途中で荒々しく出て行かれて、内容が悪かったのだろうかと落ち込んだことが何度もあるから。

新幹線の座席に座るときも隣の人に心なしか頭を下げる人もゆかしいと思う。見も知らぬ人と偶然目が合ってほんの少し表情をゆるめてくれる人も嬉しい。

「あなたはやってるの」ですって。うーん、出来ていたらもっと人気があるはずよね。