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アヴァンティ 2006年 10月号

■「友達の結婚式」

親友の結婚披露宴に出席できなかったり、友だちが来なくて寂しい思いをした人はいませんか。
30数年前の私の披露宴で一つ誰も座っていない席がありました。幼稚園に勤めていた友人が急に仕事を休めなくなったからでした。前日の夜遅くに「ごめん」と連絡が入ったのです。後に彼女は「主任がギリギリになって意地悪をしたのよ」と泣いていました。

それから半年後に結婚をした私の親友の披露宴でも寂しい席が一つありました。これは連絡がないままでの欠席でした。数日してデパートの化粧品売り場で働いている彼女を訪ね「友達で招待されたのはあなたと私二人だけだったから気になったよ」と伝えました。(もっときつい事を言っただろとお思いでしょうが、若い頃は私もまだ毒の少ないつまらない女だったのです)
彼女は私と目を合わせず「風邪ひいたから」と一言。私は無言で彼女に背を向けて立ち去りました。(これって結構きつい?)無礼なヤツだとは思いましたけれど若かったからそれ以上の彼女の気持ちの詮索をしないまま時は過ぎ去りました。今や自分の子供たちが結婚する歳になりました。一緒の時代に仕事をしながら子育てをした仲間の子供の結婚はこちらの方も感慨無量です。披露宴の最中に親以上に泣いている怪しいおばさんがいたらそれはきっと私です。

先日、長い付き合いの友達が娘の結婚式の招待状を持って訪ねて来ました。のんびりやの彼女も娘が30歳後半になり内心焦っていたようで笑顔にホッとした様子がうかがえます。子育ての思い出話で盛り上がっていたら彼女はきゅうにしんみりして「娘の親友がこないのよ」と。
「素直に喜ぶ気持ちになれないから出席しないわ」
「招待状は送るからそれから出欠をきめてよ」
「招待状もいらないから送らないでほしいの」
こんな感じだったらしいのです。

気の毒だと思いました。娘さんの方ではなく「出席しない」と言った友達の方をです。人の幸せを素直に喜べない性格が残念です。揺れる娘心はわからないでもありませんが本心をあらわにせずにおれない「不器用さ」が可愛そうでもあります。「人生は顔で笑って心で泣くってことも必要よ」と言ってあげたい。ちょっとやせ我慢して「おめでとう!」って言えた時が良い女への一歩かもしれないから。