アヴァンティ 12月号
11月19日
アヴァンティ 11月号
10月23日
10月15日
10月1日
9月24日
9月17日
アヴァンティ 9月号
8月27日
8月19日
アヴァンティ 8月号
7月9日
アヴァンティ 7月号
5月14日
2月
1月30日
1月22日
1月15日


 
2002年7月9日放送

■もう会いたくない

トラブルが有った訳でも喧嘩をした訳でもないのに疎遠になってしまう人や場所って有りませんか。私は結構多いので、ただでも狭い世間を増々狭くしています。

先日もブティックを覗いていたら、お客さんに愛想良くしていたお店の奥さんが「今日は荷物在りますか」とお店に入って来た宅配の人に「そこ」と顎でしゃくって荷物を示した。言葉使いも横着で人を人とも思わない態度。私は直ぐに店を出ました、おそらく二度とそのお店には行かないでしょう。

もう一つは最近知人の新築パーティに呼ばれたのです。お金持ちの家で洋風の家の横に純和風の家を建てるというものでした。ベテランの棟梁に頼んでの素晴らしいお屋敷でした。宴もたけなわのとき、東京の一流会社に努めている息子さんが帰って来ました。受けた大学は全て通ったという優秀なエリート青年で自慢の跡継ぎ息子との事。

大工さんの1人がニコニコしながら「やーぼっちゃん、いらっしゃいよう帰ってこられましたねーぇ」と言いました。すると、するとですよ、そのパリッとしたスーツを着た息子はお年寄りの大工さんに向かって偉そーに言うでは有りませんか。「あなたおかしく有りませんか、ここはうちの家ですよ、僕があなたにいらっしゃいと言うなら話しがわかるけどあなたが僕にいらっしゃいと言うのは筋違いでしょう」

横にいた私は血がさかさまに流れるような気がしました。聞こえているはずの親の方を見たのですが、怒る気配はありません。大工さんは「そうやねーハハハハ」と上機嫌で笑っています。私は「負けた」と思いました。私の息子ならただでは置かない、他所の息子は怒れない、あー身体に悪い。それからその家族に一度も会っていません、これからも二度と会うことはないでしょう。

私は心が狭いのでしょうか。
お気に障ったらごめんなさい。
▲ Page Top