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2002年9月17日放送

■想像力があったら

子供の頃にモンゴメリの「赤毛のアン」を読んだ方は多いと思います。テレビのアニメでもやっていたので、ストーリーを知らない人は居ないと思うけれど、孤児院からもらわれてきたソバカスだらけの赤毛の女の子がカナダのプリンスエドワード島のそれはそれは美しい自然の中で、聡明で幸せな女性に育って行く物語ですが、私は気が滅入って心が浮かない時に繰り返し読んで、もう何度読んだか解らないくらいですが、きのうもパラパラとくっているうちに結局、全部読んでしまいました。一番好きな所は「大事件と言えどもすべて小さなことがらと結びついている」と言う言葉から始まる18章の「アンの看護婦」という下りです。

大人達が皆留守の冬の夜にアンの腹心の友、ダイアナの妹ミニー.メイが重い咽頭炎にかかってしまったのを、子守りをしていた時の経験から、的確な判断と行動でその命をアンが救うストーリーなのですが、助けを求められたアンがダイアナの家に飛び込むなり、何をどうして良いか解らず、ただうろたえているだけの、メイドに言うのです、
「ストーブに薪を炊いてヤカンにいっぱいお湯を沸かして頂戴、あんたに少しでも想像力があったならこんな事はもっと前に気が付くと思うわ。」と、小説の中の言葉なのにこの言葉を聞く度にいつもハッとさせられます。熱っぽくぜいぜいと喉を鳴らして苦しそうな病人の部屋を温めて蒸気をたてる事くらい考え付きそうなものだけど、それがなかなかね。少しの愛と想像力があれば大事に到らずに済んだだろうと思える事って世の中には沢山あると思いませんか。

政治家や、官僚、経営者、もちろんメディアにも、そして自分自身に向かっても、アンのように「あんたに少しでも想像力があったらこんな事は もっと前に気付くと思うわ!」と言う言葉を投げ付けたいです。
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